環境温度駆動型アクチュエータを用いた探査ローバー移動機構
(小惑星探査船はやぶさ2のローバー"ミネルバ-II-2"へ搭載)

2014.12.3
はやぶさ2が小惑星1999JU3(その後”リュウグウ”と命名)を目指して打ち上げ。
https://www.yz.yamagata-u.ac.jp/news/news/news_20141118_01/

 小惑星に投下して地表を移動しながら観測する複数の探査ローバーも搭載
 ・MINERVA−II-1(ISYS/JAXA、会津大)
       *2機のローバー
 ・MINERVA-II-2(大学コンソーシアム:
    東北大、東京電機大、大阪大、

    山形大
、東京理科大)

 重力が非常に小さい小惑星の地表で、
 各ローバーとも 移動するための
 各種のホップ機構が開発されて搭載。
 (MINERVA-II-2:幅15cm、高さ15cm、約900g)


2018.08.21 「はやぶさ2」探査機からMINERVA-U1を分離。
      その後、着地と移動に成功
..
2018.11.13 MINERVA-II2の不具合を発表 (大学コンソーシアム)
        https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10302_minerva2

2019.02.22 小惑星探査機「はやぶさ2」のリュウグウ着陸成功。
  峯田研究室で早朝からネット中継を見守る様子がニュースでも放映。
    https://newspicks.com/news/3696256/

2019.10.02〜03 峯田と妻木先生が、はやぶさ2からの
      MINERVA-II-2分離運用実験に参(JAXA相模原)
(分離成功に沸くJAXA管制室↓)

   https://twitter.com/haya2_jaxa/status/1179454035763445760
 
(MINERVA-II-2は、着地後の表面移動・撮像ではなく、高めの高度から分離し、
  周回させてから着地するミッションを目指す)
      https://fanfun.jaxa.jp/countdown/hayabusa2/press/files/20190924_minerva-II2.pdf#search=%27MINERUVAII2%27

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山形大学では、MINERVA-II-2に搭載された移動機構の1台を担当しました。日照の有無によって生まれる大きな温度差を利用しバイメタルをアクチュエータに用いた環境温度駆動型の移動機構を考案して作製しました。バイメタル(膨張率の異なる2種類の合金の積層板)は温度変化によって曲がろうとし、限界点を超えると瞬間的に反対側に反る座屈型(峯田研)と、磁石から外れて瞬間的に反る磁気ラッチ型(妻木研)の2種類を搭載しています。それぞれ高温域と低温域に動作温度をずらして設計し、MINERUVA-II-2の投下位置や周囲状況によって環境温度が変わっても、どちらかが対応できる可能性を高めました。小惑星リュウグウの自転周期は約8時間であり、朝夕に相当する4時間ごとにランダムな方向へホッピング動作する構想です。

環境温度駆動型のMINERVA-II-2
跳躍移動機構 (座屈型および
磁石ラッチ型バイメタルアクチュエータ)


(c) MINERVA-II-2 consortium

座屈型バイメタルアクチュエータの
   動作原理

山形大学チームの異動機構は、電力や制御信号を使わず、環境温度の変化だけで動作する原理であり
きわめて長期にわたって動作し続けることが期待されるメカです。